レット症候群という不治の難病を抱えている患者の大半は、言葉を発してのコミュニケーションが出来ません。
また身体機能や知能においても重度な、発達障害を抱えている場合が多く、患者とその介護を行う家族の生活の質(QOL)の向上を目指すには、特別な方法での意思伝達が必要不可欠になります。
欧米では実際にレット症候群患者とのコミニケーションツールとして、「重度障がい者用意思伝達装置マイトビー」(この事業で申請している装置)が利用され、QOLに大きく寄与している実績があります。
この装置はパソコンを視線だけで操作する事ができ、障がい児の療育の為にまずは感覚的に視線で操作出来る事を学習するプログラムから始められます。
日本においてもALSや脳性麻痺等の疾患の方々が利用されていますが、1式約175万円と非常に高価な機器の為、市からの補助金がなくては購入が困難です。また補助金が認められるには日常生活に必要不可欠な装置と認定される必要がある為、レット症候群患者の場合、日常会話等を獲得する前の幼少期に障がいが発症するので、文字や絵等を認識してこの装置で意思伝達が出来るようになるのか?という疑問もあり補助金が下りた実績がありません。
全員がこの装置で意思伝達が出来る様になるとも考えにくいですが、海外で実際に使用されている実績がある以上、日本においてもどの様な障がいであっても、QOL向上の可能性を追求し支援する事は私達NPO団体や健常者の責務であると、この事業に取り組む必要があると考えました。